節約たまき本たまき。

考える、ありふれた建売戸建にて。

国立の魅力

 国立駅の魅力といえば、南口の(一橋)大学通りを思い浮かべる人が多いかもしれない。石畳の歩道と手入れされた植栽は、ヨーロッパの並木道を思わせる。大学通りには、美観を備えた家々も連なり、アカデミックな雰囲気を醸し出している。

 

 でも、国立の本当の魅力は別のところにあると思う。南口の一部の高級住宅街ではなく、駅から遠い地域、あるいは北口の方、つまり普通の人々が住む地域に。

 子供を生んだ直後の国立で、そう感じた。親の助けもなく、余裕のない私を、通りすがりの人々が励ましてくれたのだ。それはもう、毎日と言っていい。気分が落ち込んでどうしようもないとき、とりあえず外に出てバギーを押していると、必ず誰かが声をかけてくれた。

「ママ、えらいねえ」

「ご機嫌な子だねえ。賢くなるよ」

「今は大変だろうけど、だんだん楽になるからね」

 

 都心に比べてもともと親切な人の割合が多い、なんてことはないだろうから・・・もしかしたら、文京地区特有の緑豊かな町の雰囲気がそうさせるのかもしれない。あるいは、たまたま運が良かったのかな。少なくとも、この町に住む人は、この町のことが好きだと思う。