節約たまき本まき。世の中寸評記。

考える、ありふれた建売戸建にて。

『イミテーション・ゲーム』エニグマと天才数学者の秘密(映画)

 実在の人物であるイギリス人数学者、アラン・チューリングの寄宿学校時代、第二次世界大戦中、そして1951年現在という3つの時代が登場する。主に描かれるのは、1939年から終戦までのイギリスのブレッチリー・パーク(政府暗号学校が置かれていた)内での暗号解読任務。アランを含む気鋭のチームが、不可能と言われていたドイツ軍の暗号機エニグマの解読に挑戦する。

 と、ざっくり言うとこういう流れなのだが、目が離せないのはアランを演じるベネディクト・カンバーバッチ。人の話す言葉の裏側を読み取れず、人の傷つく真実も言ってしまう天才、一見すると協調性のない傲慢な変わり者なのであるが・・・魅力的なのだ。すごくイケメンという感じではないのに。前半は、「冷徹な奴なのか?」と思う行動が多いのだが、次第に、そうではなく悲しみが深過ぎて、普通の人にはない執着ゆえの行為だったのだとわかる。

 脇役に美男子マシュー・グッドと好青年アレン・リーチが出演していて、このふたり、『ダウントン・アビー』でも共演しているよな、なんて思って楽しめたりもする。他には、キーラナイトレイが、突き抜けて頭のいい女性を好演。

 結局、アランのチームがエニグマを解読したことが、第二次世界大戦の勝利に貢献するわけだが、その事実をイギリス政府は長年隠していた。戦後、アランは同性愛者ということで罰せられ、結局、41歳で自殺してしまうが、2009年イギリス政府はアラン・チューリングに正式な謝罪を表明した。

 

 真実は小説よりも奇なり、というのは正に。